Lesson 8 なぜ、人は心の苦しさの原因を見誤るのか?

人は、何らかの問題に直面すると、その問題を解決するために、その原因を探し出そうとします。

これは「原因があるから結果が生じる」という因果律に基づいた思考で、実務的な問題の対処にはとても有効なところがあります。

しかし、この考え方は、感情が絡む問題においては、人を誤った方向に導いてしまいやすいところがあります。

(特に、慢性化してしまっているような心の苦しさを解決しようとしている時には要注意です。)

「原因がなければ解決できない」という錯覚

因果律の考え方では、問題のある結果に至ったとき、「問題のある結果には、問題につながる原因があり、その原因を取り除いたり改善することによって、好ましい結果に変えることができる」といった考え方をします。

これを心の苦しさに当てはめれば、「心の苦しさにも原因があり、その原因を解決すれば、心の苦しさは解決する」と理解することができます。

逆に、「原因が分からなければ、心の苦しさを解決できない」という雰囲気も作り出してしまいます。

ですから、心が苦しいと感じる時は、それを解決するために、「何が何でもその原因を見つけ出さなければならない」という気持ちに陥ってしまうのは無理のないことなのです。

しかし、心の苦しさを解消するには、原因は必要ありません。

ただ、心の苦しさを適切に対処すれば良いのです。