心の苦しさと悩みを解決する記憶ネットワーク再構築療法

06. 現代社会の根本問題

個々の人の努力だけでは、解決できない問題があります。
ここでは、社会の中にある、そんなもう一つの問題について説明します。

07-01. 集団の特徴

現代社会には、「属す群れがない」という現実があります。

自分を守ってくれる群れがないのです。

行政が、いくら良い社会福祉施策を行っても、そこに『群れ』という概念がなければ、人々に本当の安心を提供することはできないのです。

地域社会、学校、職場、サークルなど、どんな集団も、次の4つのタイプの人が入り混じっています。

  1. 自分の『自己防衛機能』を他人に委ねられる人
  2. 他人の『自己防衛機能』を預かることができる人
  3. 自分の『自己防衛機能』を他人に委ねられない人 (自分の論理で相手に守らせようとする)
  4. 他人の『自己防衛機能』を預かることができない人 (自分の論理で相手を守ろうとする)

ほとんどの場合、1 と 2 、3 と 4 は、それぞれ裏表の関係になっていますから、 の2タイプの人で構成されていると考えることができます。

  • 1 と 2 の特徴を持つ人
  • 3 と 4 の特徴を持つ人

集団は、

1 と 2 の特徴を持つ人の割合が多いほど、安心を感じさせてくれる確率が高く、

3 と 4 の特徴を持つ人の割合が多いほど、人を不安にする確率が高いのです。

現代社会には、そのような人を安心させてくれる集団があまりにも少ないのです。

07-02. 人間の活動の原点は安心安全だったはずなのに・・・

『人にとって大切なこと』は、大雑把には、次のように推移してきたと理解できます。

  1. 安心安全を確保すること
  2. 食物を確保すること
  3. もの(食物)を所有すること
  4. もの(食物)の所有を拡大すること
  5. もの(財産)を所有すること
  6. 収入(貨幣)を得ること
  7. 収入(貨幣)を増やすこと
  8. 経済を発展させること

経済重視に偏った社会を、人の安心安全を大切に扱う社会へ戻すには、どうすれば良いでしょうか?

現代の経済社会のあらゆる分野において、そのトップに君臨する全ての人から心の苦しさを取り除き、幸せを感じさせることが出来れば、社会の構造は画期的に変わるでしょう。

しかし、現代のように、心に苦しみを抱え込む人を生み出す社会においては、経済や権威的に優位な立場に立つことによって心の苦しみを解決しようとする人が、次々と生み出されてしまいます。

ですから、その流れを変えるためには、まず、子供たちから、心の苦しさの芽を摘み取る必要があるのです。

その最終目標は、安全で安心な良い群れが多く生じる社会のシステムを作り上げることです。

「赤ちゃんの頃、親が面倒を見てくれたから、大人になったあなたがいるのです。

だから、親を責めてばかりいないで、感謝すべき点もきちんと見なさい」という言葉が、心の苦しさの解決し前向きに生きるヒントであるかのように使われることがあります。

確かに、生まれてしばらくの間に限れば、ほとんどの人は自分を丸ごと委ねて安心に包まれて過ごしてきたことでしょう。

しかし、そんな安心な世界も、子供が言葉を覚えて話しが出来るようになる頃から、親のタイプによって大きく変わり始めます。

親という支配者が君臨する世界の中で、生き残るための日々に変わっていくのです。

乳幼児期でさえ、子育て本などに書かれている標準に自分の子供を合わせようとしたり、標準よりも優れていることを証明しようとしたりすることにこだわって、子供に安心を与えるより、むしろ奪い取るようなことに力をぐ親もいます。

人が生み出した「しつけ」「教育」という概念が、もともと一続きのはずの人生を、「赤ちゃん/子供/社会人」というように分断してしまいます。

この分断されたそれぞれの時期に、その時期独特の「○○であるべきだ」といった行動指針・存在指針が示され、それがマニュアル本として発行されたり、噂話のように広まっています。

現代の親たちの多くは、子育てにおいて、助けが少ない状況に置かれてしまっています。

孤独な子育てに追い詰められてしまった親たちは、対処に困って子育て本の内容 を鵜呑みにし実践してしまいがちなところがあります。

子育てに限らず、マニュアル本を生きていく手本にする人も沢山います。

マニュアル本で紹介されている考え方にはいろいろなものがあり、その中から自分が良いと思うことを選ぶので、その後に陥ることは、本人の責任だとされます。

しかし、本当の問題は、自分の中から生み出される自然な行動ではなく、外部から無責任に与えられた行動パターンの中から、自分がとるべき行動を選択しようとしていることです。

つまり、自分の中から湧きおこる本能的な行動を、世の定説・異説によって、コントロールされた行動に変えようとしてしまうことが問題なのです。

『自己防衛機能』を委ねられない世界を、成長の過程で経験してしまうと、『自己防衛機能』を他人に委ねようとする連鎖が途切れてしまうことになります。

他人に『自己防衛機能』を委ねることによって作られる安全な空間は、シャボンでできた薄い膜を広げていくようなイメージに近いところがあります。

慎重に広げなければ、シャボンの薄膜のように直ぐに割れてしまいます。

しかし、そんな薄い膜でも、割れないように広げていけば、大きな安心を我々に与えてくれるのです。

また、「定年」・「介護」という言葉は、老人を分離します。「病人」という言葉は、病人を分離します。

「うつ」という言葉は、心に苦しさを抱えた人を分離します。

他にも人を分離する為の言葉はたくさんあります。

それらは、自然に形成されるはずの群れから、様々な特徴を持つ人たちを分離し、いろんな特徴を持つ人を含むような自然な群れが形成されることを妨げます。

そして、人は群れとは関係の無い、分離によって新しく作り出された分類でグルーピングされてしまいます。

その集合体は、学問的には意味があるのかもしれませんが、群れの形成に関しては、全く意味の無いものなのです。

そんな分類によって、私たちは振り回されているのです。

そのようにして、現代社会は、沢山の人や物・価値をそぎ落としていきます。

その結果、残るものは、経済です。

しかし、経済に役に立たない人をそぎ落としながら経済を守っても、それが一体何になるのでしょうか?

私たちは、経済を発達させるためではなく、人を幸せにするために活動していくものだということに、そろそろ気付かなければならないと思います。

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この記事は、ピュアハート・カウンセリングの心理カウンセラー 田中 順平 が書いています。

心理カウンセラー 田中 順平

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