心の苦しさと悩みを解決する記憶ネットワーク再構築療法

反抗期

一般的には、反抗期(第一次反抗期、第二次反抗期)というものは、

子供が親に頻繁に逆らうために親が子供の対処に困る時期

といった認識に留まることが多いような気がします。

そして、反抗的なその時期の子供を、「そういう時期なのだから、今の我が子の状況は、やむを得ないことなんだ」と、ある意味肯定的(?)に、親が受け入れことを助けてくれている面もあると思います。

ここでは、そんな言葉をもう少し詳しく考えてみます。

言葉に隠された本質を理解するために

一般的に、分類や概念を指す言葉(名詞)を理解しようとするとき、

  • その言葉がどのような人の立場に立って作られた言葉なのか?
  • どのような価値観を前提として作られた言葉なのか?

といったことを意識しておかないと、固定観念に縛られてしまい、本当のところを理解できないようになってしまうところがあります。

この反抗期という言葉も、そういった言葉の一つです。

第1次反抗期

第一次反抗期とは

親に限らず私たちみんなに共通することなのですが、今まで生きてくる中で、その時々の環境に適応するように、自分自身を様々な枠の中にはめ込みながら、自分自身にとっての平穏を確保してきたという歴史があります。

私たちは、そんな様々な枠組みに当てはめて自分を不自由にしてしまっているのですが、平穏を獲得するには欠かせなかった枠組みなので、その不自由さとは裏腹に、私たちは、その枠組みをとても大切に扱いたいと感じてしまいます。

そして、それを大切にすることを繰り返すうちに、その枠組みに慣れてしまって、当初感じていたはずの不自由さはもはや感じなくなってしまいます。

そんな状況の中に、新しい家族として、子供たちは生まれてきます。

私たちは、平穏を保つために、自分の分身ともいえる幼い子供たちにも、自分がこれまで様々な経験によって学んだ枠組みの中の行動を教えようとします。

幼い子供たちは、あまりにも自由です。何の悪気もなく、ただ自由なだけです。

しかし、その自由さに、私たちは、これまで自分が平穏を保つために大切にしてきた枠組みを壊されそうな危機感を感じ、自分たちの枠組みに従う事を子供に強要しようとします。

ところが、自分で考えて行動できるようになっていく喜びの真っ只中にいる子供たちは、そんな私たちの危機感の理由は理解できるはずもなく、その喜びを原動力として自由であり続けようとします。

このような親の枠組みと子供の自由さのせめぎ合いを、親の立場から眺めると『子供が親に反抗している』というように理解されてしまうのです。

一般常識をしつけとして教えるという面もありますが、親が感情的になりがちな傾向性が強い時は、自分の経験によって得た枠組みを、子供にも押し付けようとしているかもしれないということを疑ってみる必要があります。

それは、子育てを修正するという意味だけではなく、「自分自身の自由な気持ちが、その枠組みによって不自由にさせられていた」ということに気付き、自分自身に再び自由を取り戻すきっかけになるかもしれません。

そう考えると、第一次反抗期は、第一次『親にとっての枠組み』崩壊の危機と呼ぶのが正しいと思えます。

(親による子供の第一次洗脳期と呼ぶこともできます。)

そして、この戦いの結末は、親の勝利で終わります。

どれだけ、親が自分の枠組みを見つめなおしながら対応したとしても、悟りを開いた僧侶でも無い限り、全ての枠組みを取り払う事はできません。

そして、大人と無垢な幼い子供という関係性によって、確実に親の勝利で終わります。

そして、親が提示する家庭の様々なルールを子供が受け入れることで、家庭に平穏が戻ります。

少し意味合いが違うのですが、フロイトの言葉を借りれば、『潜伏期』ということになり、この時期を『第一次潜伏期』と呼ぶ方が正しいのかもしれないと思っています。

しかし、この親の勝利が、第二次反抗期の要因の一つになるのです。

(この時期において、親の支配が強すぎると、洗脳から目覚める意欲が芽生え難くなり、第二次反抗期を逃してしまうことなるのだと考えています。)

まとめ

小さな子供の安全を考えると、小さな時期は、親の経験に基づき行動制限をすることは必要なことだとは思います。

また、親の子育ての負担軽減にも必要なことだと思います。

両親が、叱り役・あやし役という役割を、その都度入れ替わり分担しフォローし合って関わっていくことさえ忘れなければ、親の勝利も将来の大きな問題にはつながらないと想像しています。

第2次反抗期

第二次反抗期とは

子供たちが、親が提示した枠組みを世界のルールと思い込み暮らす中でも、様々な経験をしたり、新たな情報を蓄積していくことによって、論理的に、そして客観的に状況を把握し考える能力を身に付けていきます。

そして、その能力があるレベルを超えたとき、再び、親が提示している枠組みや社会が提示している枠組みを検証し始める、言い方を変えれば、自分の知っている情報を駆使して、自分の枠組みを再構築しようとします。

そして、これに直面した親は、「子供が自分に逆らっている」と錯覚してしまうのです。

再構成というと簡単そうですが、それまでの価値観が崩壊し、新たな枠組みを一から作っていくようなことをするので、精神的にはかなりの苦痛が伴うことが想像されます。ですから、その苦痛を一人で耐えさせないような関わりが親に求められるのです。

これが、第二次反抗期と呼ばれている時期に起こることです。 つまり、

  • 自分の枠組みと親の枠組みとのせめぎあい
  • 自分の枠組みと社会や時代の枠組みとのせめぎあい

ということです。

これは、成熟した人間に巣立ちを起こさせるために、人類に備わっているしくみなのかもしれません。

動物であれば、ここで、無事”巣立ち”ということになるのでしょうが、人間社会は複雑化しているため、この時期の巣立ちが許されない構造になっているのです。

(特に、経済的なことを考えると不可能であることが殆どです。)

現代社会においては、ここでも子供が勝利する事は許されず、親と社会が勝利してしまいます。

社会で生きていく上では、最終的には社会の枠組みは受け入れざるを得ないところはあります。

この第二次反抗期と呼ばれるこの時期を、別の呼び方をすると、第一次反抗期のときと同じように、第二次『親にとっての枠組み』崩壊の危機と呼べるかもしれません。

(親による子供の第二次洗脳期と呼ぶこともできるかもしれません。)

しかし、生物としての人類には、これより先の時期に、もう巣立ちを実現するためのプログラムは用意されていません。

ですから、せめて、親の枠組みからの心理的な巣立ちだけは、この時期に済ませてあげられるように対処する必要があるのだと思うのです。

具体的には、子供が主張する枠組みも、親の方が拒絶するのではなく、受け入れてあげるように対処するということになります。 親が、子供に対し、経済的弱者である事を理由に、親の言いなりにさせようとすることは、最も避けるべきことです。 なぜなら、現代社会においては、社会人になるまでの間、子供を経済的に自立させない仕組みになっているので、子供は有無を言わされず従わざるを得なくなってしまうからです。

まとめ

特に第二次反抗期というのは、子供が反抗するのではなく、子供の自由な感覚・感情・思考・行動によって、親が自分の枠組みに気付かされ、それを手放せるかどうかを試される時期です。

子供が反抗しているとは考えず、自分自身を不自由にしていたその枠組みから解放されて自由になるためのチャンスだと考えることもできるのです。

また、思春期から社会に出るまでの期間は、現代社会によって創り出された『動物にとってとても不自然な期間』であるということを認識することが大切です。

そして、子供が提示する枠組みを受け入れるとまではいかなくても、それも尊重するというスタンスで関わる事で、心理的巣立ちをサポートすることが大切です。

ここを疎かにしてしまうと、次の第三次反抗期で説明するような状況へとつながっていくのだと考えています。

第3次反抗期

親から巣立ちする心理的な準備が整っている第二次反抗期において、今の現代社会では巣立つことが許されません。

そして、巣立ちを諦めて、親や社会の示す枠組みを受け入れることでしか、存続していけない状況に追い込まれ、それを受け入れて生きていくようになってしまいます。

これ以降を、『第二次潜伏期』と呼んでみます。

第二次潜伏期は、本人も、矛盾に気付いている中で、自分の方を曲げて周りから提示されることを受け入れようと努力しているような状態なので、かなりの心理的な苦痛を伴うことが多いと思います。

自己洗脳といっても良い状態です。 洗脳に成功すれば、第二次潜伏期をそれなりに平穏に過ごしていると思うことができます。

失敗すれば、この時期は、ただ苦しいだけの時期になってしまいます。

(この第二次潜伏期に以降した時点で、動物として準備されていた巣立ちのプログラムは終了し、巣立ちのプログラム的にはその実体とは裏腹に「巣立ちが完了した」という状態になってしまうのかもしれません。)

そして、今度は、本人の準備とは無関係に、社会の仕組みによって、ある時期が来ると突然に巣立ちが強要されます。

俗にいう『社会人になる』というタイミングです。

(このとき、『巣立ちが完了し、世界を自分なりに理解し終わった』ということになっているので、「今さら、何をどうしたらいいの!?」という心境になってしまっても無理は無いような気がします。)

ここで、何の心構えもないまま突然に、親の提示した枠組みから解放されてしまい、また、様々な枠組みを持つ様々な人との関わりをもつようになるので、自己洗脳に成功していた場合は、急激な再構成に伴う苦痛に一人ぼっちでさらされ易いのだと思います。

また、再構成が起こらない場合でも、周囲の人との摩擦によって、人間関係のトラブルに陥りやすくなるかもしれないということが心配なところです。

現代社会において、親は、自分の枠組みで子供を強固に縛り付けていたのに、社会人になったからといって、突然に、子供を自分の枠組みから解放してしまいがちなところがあります。

しかし、子供は、そんな親や社会の都合で、急に、自分の枠組みを変えられるはずがありません。

そんな戸惑いの様子が、第三次反抗期と呼ばれつつある状況だと考えています。

まとめ

自分の子供が成人後に反抗期的な状況に陥ったときは、子供に社会人としての自立を強要する前に、思春期に

  • 自立の手助けをしてきたか
  • 自立の妨げをしてこなかったか

ということを振り返ってみる必要があります。

そして、子供は、今までの多くの制約と突然の制約放棄とのギャップに苦しんでいるということを理解し、自由な感情・感覚・思考・行動を認めてあげることが大切です。

(ただ、社会人になってからこのような苦しみを感じさせない為に、できることなら思春期において同様のフォローをしてあげてください。)

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この記事は、ピュアハート・カウンセリングの心理カウンセラー 田中 順平 が書いています。

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