02 思考

2-1 浮かび上がる答え

私たち人間にとっては、何も考えていない状態でいることはとても難しく、大抵の場合、何かを考えています。

「考える」とは、頭の中であれこれと思考を巡らせることです。

その際、私たちは、言葉を道具として使います。

誰かと議論するときに、互いの考えを言葉によってやりとりするような感じに、自分の頭の中で様々な言葉を浮かべながら論理を展開させていきます。

このようなことから、私たちがイメージする「考える」という行為は、言葉が存在することが前提で成立していると理解することができます。

私たちは、「言葉があるから考えることができ、逆に、言葉がなければ考えることができない」と思っているということです。

たぶん、この説明を読んで、疑問に思う人はほとんどいないと思います。

しかし、私たちは「言葉を使わなければ思考はできない」と思い込んでいるだけで、実際はそうではないようなのです。

意識して考えていたことでもないのに、突然「分かった!」と心が晴れるような感覚を伴って、何らかの答えが浮かぶ経験を、誰もがしたことがあると思います。

このような答えは、考えようとして導き出したものではありません。

考えてもいないのに、また、それに関する答えを求めていたわけでもないのに、自分にとっての答えが自分の内側から湧きだすようなことが起こるのは、とても不思議なことです。

「どうして、そのようなことが起こるのだろう?」、この疑問が思考について考える上で大きなヒントとなりました。