04 「感覚」のあやふやな結びつき

私たちは、知覚現実に記憶投影現実をオーバーラップさせて合成現実(人にとっての現実)を形成します。

このとき、実体から何らかの刺激を受けることによって生じた感覚や、その刺激によって記憶投影現実の中に呼び起こされた感覚は、比較的適切な対象にオーバーラップされます。

また、何かを思い出したり空想したりするときなどに、記憶投影現実からの刺激によって呼び起こされる感覚も、比較的適切な対象にオーバーラップされます。

これに対して、漠然と生じている感覚は、それをオーバーラップさせる対象が知覚現実の中にはありません。

私たち人間は、理解できないことを、そのままにしておくことが苦手なところがあります。

そのために、漠然と生じている感覚も、そのままにしておけません。

そこで、合成現実(人にとっての現実)の中で、その感覚をオーバーラップさせる対象、つまり、その感覚を生じさせる原因を探し出そうとします。

合成現実(人にとっての現実)は、知覚現実と記憶投影現実に分割できます。

ですから、漠然と生じている感覚の原因探しは、知覚現実の中でたまたま気になったことを原因と思い込もうとしたり、記憶投影現実の中で自分が因果関係があると認識できることを原因と思い込もうとしたりする作業だといえます。

そして、そのようにして結びつけられた感覚と原因の関係が、記憶投影現実の中に明確なイメージとして刻み込まれた場合は、恐怖症やコンプレックスのようなものになってしまいます。