16 心理カウンセリングに隠された「もう1つの目的」

心の苦しさを解消するために心理関係のことを勉強し始めることがあります。

しかし、心理学的な知識に詳しくなれば、心の苦しさの解消に近づいていくかというと、そうではありません。

また、心理関係の種々の団体や組織での資格や地位を手に入れたとしても、それは心の苦しさの解消とは別次元のことです。

自分の心の苦しさが解消したように感じることはあっても、それだけでは、本質的な部分はほとんど変わりません。

同じように、心理学に詳しいとか資格や地位や権威などの視点で心理カウンセラーを選んでも、心の苦しさの解消につながるとは限らないのです。

心理カウンセリングが行われているとき、そこには相談者が解決したいと考えている課題や目的があり、それを実現するために、心理カウンセラーは協力者として相談者に寄り添います。

当然、相談者は、自分の考える課題を解決することが、心理カウンセリングの目的だと思っています。

その認識も正しいのですが、実は心理カウンセリングには、相談者が意識しない「もう1つの目的」があります。

そして、心理カウンセリングの場に、その「もう1つの目的」が存在し続けることが、心の苦しさや相談者が考える課題を解決するためには、何よりも大切なことなのです。

「もう1つの目的」とは、次のようなことです。

■「どのような状態の自分であっても、否定されない」ということを、相談者が何度も繰り返し体験すること

これは、相談者が解決したいと思っている課題と直接関係がなさそうなのですが、とても大切なことなのです。