心の苦しさと悩みを解決する記憶ネットワーク再構築療法

10 心理カウンセラーを選ぶ理由

私がたどり着いた心の苦しさを抱え込んでしまう根本原因は次の2点です。

■不健全なコミュニケーションが習慣になってしまったこと

■心に関する誤った知識を信じてしまったこと

逆に考えれば、健全なコミュニケーションを取り戻し、心について正しく理解すれば、心に苦しさを抱え込んでしまう状態から解放されることになります。

不健全なコミュニケーションの習慣は、不健全なコミュニケーションが行われる環境で過ごすうちに身についたものです。

コミュニケーションを健全なものに調整するには、健全なコミュニケーションを繰り返し体験することによって、古い習慣を新しい習慣で置き換えていけば良いのです。

「健全なコミュニケーション」と書くと、何となく分かった気がしてしまいますが、それがどういうものなのかを具体的にイメージするのは難しいと思います。

ここで、健全なコミュニケーションを、「相手を否定しない関わり合い」と覚えておいて下さい。

否定の代表例として分かりやすいのは、つらいと言っている人に、「そんなことで、つらいと思ってはダメだ!」と言ったりすることです。

相手を否定しないようにするために、このようなやりとりを思い浮かべ、それを避けようと意識することが多いと思います。

しかし、実は、この他にも、相手を否定する気持ちや悪意がなくても、結果的に相手のことを否定してしまうやりとりがあります。

「相手の話を詳しく聞いて、それに付随する相手の感情を肯定する」ということをせずに、次のようなことをする場合が、それにあたります。

【相手を否定してしまいがちになるやりとり】

○「こんなこと、誰にでもあることだから、気にしなくて良いよ」と励ます

○相手の話を聞かずに、自分の話したいことを話し続ける

○原因を考えさせようとする

○相手の代わりに原因を分析して教える

○解決策を考えさせようとする

○相手の代わりに解決策を考えて提案する

○解決策を実践させようとする

○類似する自分の経験を話す

これらを参考にすれば、個々のやりとりの健全性を判別できるようになります。

次に、「お互いを否定しない関わり合い」の練習ができる相手を探す必要があります。

不自然なコミュニケーションを自然なものへと調整するためには、自然なコミュニケーションを身につけた人との関わりを多く持つことが最善の方法です。

ここで話の流れとしては、その相手に、心理カウンセラーを提案したいところなのですが、実は、自分らしく自然に行動している人なら誰でも構わないといえます。

ただ、そのような人たちは、自分の心に従って自由に過ごしています。

ですから、心に苦しさを抱えてしまった人が、これまでの行動パターンに従っていては、そのような人と交流するチャンスを得にくいところがあります。

だからといって、いきなりそのような人と関わろうとすると、どうしても無理をしてしまいがちになります。

また、そうやって無理をして、せっかく知り合いになれても、その人に嫌われてしまうかもしれないと不安になったり、落ち込んでいるのに嫌われないために元気に振る舞ったりと、何かと無理をしてしまいがちです。

かといって、ありのままの自分でいようとすると、「苦しい気持ちばかり話してしまったり、過去に身に着けた不自然な反応が出てしまったりして、嫌われるのではないか」と心配ばかりすることになり、心が苦しくなってしまいます。

そのような日々は、「今のままではダメだ!変われ!」と責められる拷問のようになり、心が衰弱してしまいます。

そこで、「健全なコミュニケーションの練習相手」として活用できるのが、心理カウンセラーなのです。

心理カウンセリングを活用して、これまで話したかったけど話せなかったことをしっかりと話し、そして、しっかり泣いておけば、日常生活で、四六時中、心の苦しさに関わる話ばかりしたくならなくなります。

また、心理カウンセラーを相手に、自然なコミュニケーションの練習をすることによって、心のコミュニケーションが上手になり、それにつれて日常生活が楽になっていきます。

身についてしまった不自然な反応も、この練習で調整していくことができます。

心理カウンセラーとのこのような関わりを重ねることによって、つらくなったときには、心理カウンセラーだけでなく、普段の人間関係の中でも、その時々に応じた適切な相談相手を見つけ、楽な心を取り戻すためのコミュニケーションができるようになっていきます。

いつも心の苦しさの話ばかりをするのは特殊な状態ですが、自分に感情が生じたときに、「誰かにその話を聞いてもらいたい」と思うこと、そして、日常の人間関係の中で適当な相手を見つけて話を聞いてもらうことは普通のことです。

普段の人間関係の中で、そのような相手を見つけられるようになれば、心が苦しくなったからといって思い煩うことはなくなり、心理カウンセリングも必要なくなります。

また、たとえ日常生活で自分1人が孤立することになっても、「心理カウンセリングルームという安心できる場所がある」、「心理カウンセラーという安心できる人がいる」と感じていると、それが心の支えとなり、苦しさに追い詰められることから、心を守ってくれます。  

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