08 感情への封印がとれるとき

麻痺させてしまっていた感情に気付いたとき、ほとんどの人は、ダムが決壊するように感情があふれ出し号泣します。

このとき、誰かに見守られながらトコトン泣くことができれば、スッキリして楽な気持ちになり、涙を止めようとしなくても、自然に涙が止まります。

この経験がタネとなって、「人に見守られながらトコトン泣いて、スッキリして楽な気持ちを取り戻す」という経験を積み重ねられるようになり、徐々に「つらい気持ちや悲しい気持ちは、一人きりで我慢するしかない」といった誤った学習が、正しい学習に置き換わっていきます。

この対処で大事なことは、次の2つです。

■温かく寄り添ってくれる人に一緒に居てもらうこと

■「自分の直ぐそばに、泣いている自分を否定せず温かく見守ってくれている人がいる」ということに気付いていること

せっかく誰かに一緒にいてもらいながら泣いていても、いつまでもスッキリした気分にならないとき、ほとんどの場合、それまでの癖で「一人きりでいるイメージ」の中で泣いています。

催眠療法の中で、泣いても楽になりそうな気配が感じられないとき、「あなたは、今、一人きりで泣いているんじゃないよ。私は、あなたが、今、つらいってこと、悲しいってこと、泣いていることをちゃんと知っていますよ」と何度も言います。

そうすると、やがて、スッキリした気分になって、自然に涙が止まっていきます。

これは、声掛けによって「一人きりで泣いている」というイメージが壊れて、「見守られながら泣いている」というイメージに変わるからだと考えています。

ですから、相談者自身も、誰かが一緒に居てくれているときには、「ひとりじゃないんだ」「今、寄り添ってくれている人がいる」ということを、しっかりと感じながら泣くようにしてみて下さい。

今まで封印してきた感情を感じようとすることは、とても怖いことです。

なぜなら、無意識の中で「それを感じると、もっとつらい目に遭わされる!」という感覚が蘇ってしまうからです。

ですから、「心理カウンセリングは心のためのものだ」と言われても、それだけで、今まで封印してきた感情を感じることはできません。

心理カウンセリングに対して、「自分にどのような感情が生じても、自分は絶対に責められない」という安心を感じられるようになって、ようやく「その怖さに立ち向かってみよう」という勇気が芽生え始めます。

そして、その勇気がやがて心を自由な世界へと導いてくれるのです。