05 心の苦しさの原因

心理カウンセリングの目標は、心の苦しさを解消して楽な気持ちになり、「自分らしく感じる」・「自分らしく考える」・「自分らしく行動する」という状態を取り戻すことです。

心が苦しくなった原因を追及しなくても、心を楽な状態に回復できれば良いのです。

ここで、「もともと人は心が苦しくなっても、楽な状態に回復できる」と仮定すると、1つの根本的な問題が浮かび上がってきます。

「なぜ、苦しくなった心を回復できなくなってしまうのか?」ということです。

心に苦しみを抱える人の多くは、嫌な体験によって生じる感情を、次のように考えるところがあります。

■過去は変えられないのだから、過去の嫌な体験によって生じたつらい気持ちは忘れるしかない

■現在進行中の嫌な体験は、ただ耐えるしかない

■つらい気持ちになってしまうと、長い間それに耐えなければならなくなるので、未来の嫌な体験は避けるしかない

ここから想定されるのは、過去・現在・未来にかかわらず、「つらい気持ちを楽な気持ちに回復させる方法が分からない」ということです。

ですから、心の苦しさを感じているときには、心についてあれこれと難しいことを考えなくても、心を楽な気持ちに回復させる方法が分かれば良いのです。

苦しさを感じているのは、過去の心でも未来の心でもなく現在の心なのですから、今の苦しい気持ちを、今、楽にできれば、過去のトラウマや未来の不安からも解放されます。

更に、現在の体験や未来の体験をトラウマとして心に刻み込んでしまう習慣からも解放されます。