06 コントロールできない感情に振り回される苦しさ

ある状況で、突然、その場にはそぐわない感情が生じることがあります。

後になって「なぜ、さっきはあんなに感情的になってしまったのだろう?」と自己嫌悪に陥って自分を責めることもありますし、状況を分析して感情を正当化できる理由を延々と考えることもあります。

「何の前触れもなく、突然、感情的になってしまう反応」は、その状況に、過去につらい体験をしたときと同じ雰囲気を感じ取って、過去と同じような体験をすることから自分を守ろうとして生じていると考えられます。

条件反射として、どのような反応を学習してしまうかは、人それぞれです。

全ての人が防御のために感情的になるとは限りません。

例えば、「何をしているの?」と静かに聞かれただけで、急にイライラして「放っておいてくれ!」などと感情的に怒鳴ってしまう人もいますし、うつむいて黙り込んでしまう人もいるような感じです。

このような反応は、過去に何度も「何をしているの!?」という言葉を使って責められた経験があり、その学習による反応が生じているのです。

これに対して、つらい気持ちをしっかりと受けとめて回復させてもらえた人は、「条件反射を起こして自分を守ろうとするための感情」に振り回されることはあまりありません。

このような感情に振り回されてしまうことも、「5-7 条件反射対策」と同様の対処によって、次第に薄れていきます。

ただ条件反射として身につけてしまった心の癖を、急に変化させたり、すっかり取り除いたりするのは難しいところがあります。

ちょっと抽象的な表現になりますが、その反応は、ずっと自分を心配して守ってきてくれた「幼なじみ」のようなところがあるからです。

ですから、条件反射を解消することだけを目的にしてしまうと、条件反射の影響からなかなか自由になれない自分を責めることになり、自分を追い詰めてしまう心配があります。

そこで、条件反射を弱めるような取り組みと並行して、条件反射とのうまい付き合い方を身につけることとの2本立てで取り組む方が安心です。