01 「息苦しさ」とその対処法

1-1 息苦しさ

1-1-1 「心の苦しさ」は解釈の誤り!?

私は長い間、自分を含めていろいろな方の心の苦しみと向き合ってきました。

心の苦しさの原因を追及する中で、現在の心に影響を及ぼす過去の要因(生育環境や子供の頃の体験など)についても、いろいろと考えてきました。

心の苦しさの根本原因を追及すれば、心の苦しさを抱える人の多くが感じているように、「過去(特に、子供の頃)の環境や体験が影響している」ということは確かなようです。

しかし、苦しさを感じているのは今現在の自分です。

ですから、現在の自分に直接作用して心が苦しいという感覚を生じさせる何かがあると考えられます。

そう考えると、心の苦しさを解消するために過去にこだわる必要はなくなります。

つらい体験の最中、動作は神経質になり、呼吸も浅くなります。

そして、そんな体験を繰り返していると、それらが「行動の癖」として身についてしまいます。

怒られても平気な人もいますが、黙り込んでしまう人もいます。

失敗したときに、正直に状況を説明する人もいますが、その状況から逃げ出したり、失敗を隠そうとしたりする人もいます。

これらは、人間性による反応の違いというよりは、過去に身につけた「行動の癖」の違いといえるのです。

行動の癖の中で、特に「心が苦しい」という感覚に影響を及ぼすのが、不自然な呼吸によって生じる「血液中の酸素が不足した状態」ではないかと考えています。

例えば、浅い呼吸を続けていると、息苦しくなります。

この「運動もしていないのに生じる息苦しさ」の解釈を間違えて、「心の苦しさ」と思い込んでいるだけかもしれないのです。