症状の「もう一つの説明」
仮面うつ病
説明
うつ病の精神症状が軽微で、精神症状よりも身体症状に意識が向いてしまいがちなうつ病です。
身体症状治療の為の診療のみになりがちな為、身体症状以外の気持ちの面にも意識を向けて、気になるところがあれば、精神科や心療内科などを受診することも、適切な治療を受ける為には大切なことかもしれません。
もう一つの説明
恐らくですが、空の巣症候群や燃え尽き症候群になる以前の状態やワーカホリックと呼ばれているような状態が、これにあたるのではないかと考えています。
どういうことかと言うと、もともと自分の心に苦しさや虚しさといったものを感じていた場合、それを解決したいと思うのは普通の流れだろうと思います。しかし、普通の人が、様々な経験を通して結果的にそれが解決してしまうことはあっても、解決しようとして本当に解決できる方法にたどり着けることはまずないだろうと思います。
そこで、「これを解決したら心は満たされるかもしれない」とか「これを自分の生きがいにしよう」というように、無理矢理何か目標を見つけようと試行錯誤する状態に陥ります。
新しく始めたことや生きがいと決めたことを三日坊主で手放すことができれば問題ないのですが、結構シックリ来てしまったり、生きる目的と思いやすいテーマにあたってしまうと、もともと持っていた苦しさなどの感覚はそっちのけで、そのテーマに没頭してしまうことがあります。
これが仮面うつ病といわれている状態ではないかと思います。
ここで何が問題かと言うと、何かに没頭することではありません。もともと持っていた苦しさなどの感覚を放置してしまう状況に陥ってしまうということが問題なのです。
これは、「それを解決できたら苦しみから解放されるだろう」と考えるけれどそれに手を出さない『恐怖症的なコンプレックス』とは逆の状態と言えるかもしれません。こっちの場合は、自分が苦しいということに気付いていることが多いので、助けを求めることにつながる可能性があります。しかし、仮面うつ病という状態がそれよりも悪いところは、本人が『自分が苦しいことに気付いていない』ため、助けを求めることにつながり難いということです。
そして、取り組むべき対象が消失した時、自己催眠のような状態から目が覚めて、もともとあった苦しさの渦に呑み込まれてしまうのが、はじめに書いた空の巣症候群とか燃え尽き症候群とかいう状態なのだろうと考えています。
「正月に寝すぎたらうつ病になることがある」なんてことをいう人もいるようですが、正月の寝すぎも、この自己催眠から覚めるきっかけなだけなのではないかと思うのです。
精神的な疲労が極限に達してしまって突然うつ状態に陥ってしまったり、身体的な疲労が限度を超えたとき、病気になってしまったりする恐れもあると思います。
心も体も、「疲れたら休む」ということは大切です。
「自分はゆっくり休んでいないなぁ〜」なんてところがあれば、まず、何もしないで日向ぼっこでもしてゆっくり休もうとしてみて下さい。もし、何かしないといられない・落ち着かないといった感覚があれば、ちょっと、注意が必要かもしれません。
ゆっくり休む練習をしてみることは大切かもしれません。
精神科や心療内科を受診しながら、カウンセリングなどを通じて、自分の感情や感覚にも目を向けようとする事は、自分の体の調子やリズムに気付いて、心と体の両方を大切にする手がかりをつかむきっかけになるかもしれません。
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