【補足】 02-02. コミュニケーションの正しいイメージを身に付ける

2-2-1.コミュニケーションの正しいイメージ

コミュニケーションの第一の目的は、次のように説明できます。

空間や時間を共有する人が、互いの感情や感覚や思考を共有しようとする試み

ここで重要なのは、どちらか一方の主張を押し付けるのではなく、ただ『知る』ということです。

そして、たとえ、その主張に相違が生じても、『知った』ということで、放置すれば良いことなのです。

その結果、お互いの主張の相違が露呈して、某かの解決をしなければならない時、次のステップとして、主張のすり合わせが行われる場合があります。

この『主張のすり合わせ』に対する過去の経験の記憶によって、コミュニケーションの第一の目的である『お互いを知る』ということを見失わさせることがあります。

『知ってもらう』ということが目的だったはずなのに、相手に知ってもらえたと感じられないまま、相手の主張に押し切られてしまうことを繰り返し経験すると、もともとの『知ってもらう』という目的が、本人が気付かないうちに、『自分の主張が選択される』ということに変化し、それを自分の本当の気持ちのように錯覚してしまうようになります。

また、「自分が何かを主張しても、どうせ分かってもらえない」という予感を身にまとってしまうことにもつながってしまいます。

親は、子供よりは遥かに多くの経験をしているので、子供が何かの問題に直面して悩んでいると、親が子供の感情や感覚・思考を理解し尊重しようと意識していなければ、親が分かっている結論を子供に教えたくなってしまいます。

この親の反応はごく自然なものだと思います。

しかし、そうする事によって、『お互いを知る』というステップが省略されてしまうのです。

このようなコミュニケーションを繰り返すと、将来の子供のコミュニケーションから、『お互いを知る』というステップを奪い去ってしまうことになります。

ですから、親が子供と関わる時は、結論以外の話をじっくりとした後で、子供が親の結論を教えて欲しいと思っているかを確認した後で、子供がそれを望んでいるときに限って、そのように対処すべきです。

2-2-2.コミュニケーションを阻害するもの

【コミュニケーションを阻害する要因】

  • 相手に伝わらないだろうという予感
  • 相手を受け入れられない感覚

【コミュニケーションを促進する要因】

  • 相手に、きっと伝わるだろうという予感
  • 相手を受け入れたい感覚

これらの「伝わらないだろうという予感」、「きっと、伝わるだろうという予感」、「受け入れられない感覚」、「受け入れられる感覚」などの強弱が、その人にとってのコミュニケーションのイメージになります。

世界観のベースを作るのがコミュニケーションであれば、それを修正することを手伝ってくれるのもコミュニケーションです。

ですから、健全なコミュニケーションが行えるような準備を整えてあげることは、子供が人生をより良くしていく為の最大のプレゼントになるのです。

コミュニケーション能力は、プレゼンテーション能力的に受けとめられがちですが、相手に伝えようとする能力相手から伝えられようとする能力、そして、分かり合おうとする能力、そして、分かり合うことを諦めない能力と言えるのです。

《正しいコミュニケーションのイメージを持たせるために、親にできること》

  • 子供の言う事を否定せず、まず、聞き入れること
  • 親が自分の事を押し付けずに、ごく普通に説明すること
  • それぞれが、異なっているという事を、お互いに認識すること
  • 特に共通認識を必要としない場合は、無理に結論を出さずにそのままにしておくこと
  • 共通認識が必要な場合は、両方の感情や感覚を大切にする方法を一緒に考えること

2-2-3.コミュニケーションの不全によって陥る可能性のある状態

2-2-3-1.人生において願いが叶わないという感覚を身に付ける

コミュニケーションの不全によって陥る状態にも、色々なものがあると思いますが、ここでは、子供の人生に関わる一番大切な部分だと考えていることについて説明します。

それは、人生や「生きる世界」に関して、どのような印象を持ってしまうかということです。

子供は、「将来自分が一人前になった時に生きていく世界」に対する漠然とした印象を、家庭の中で身につけいくのだと考えています。

なぜなら、家庭は幼い子供にとっては、自分が生きる世界そのものだからです。

家庭の中で『自分にとって大切なもの』が大切にされると感じれば、人生に対して「自分の願いはきっと叶う」という印象を持ち、逆に、大切にされないと感じれば、「自分の願いは叶わないだろう」という印象を持ってしまうのです。

詳しくは説明しませんが、この本全体から、その意味を、きっと理解して頂けると思います。

2-2-3-2.自問自答の状態

また、コミュニケーション不全に陥っている時、コミュニケーションは次のような構図になってしまいます。

  『自分』 ⇔ (自分が想像した相手) ⇔ 『相手』  

その結果、「本当の気持ち」と「本当の気持ち」の交流が阻害され、お互いに誰と話しているのか分からない状態になっているのです。

自分は相手の人と話しているつもりだから、混乱の認識は無いかもしれませんが、相手の人は話がサッパリ分からない状態になってしまっている恐れがあります。

2-2-3-3.他人に暴力をすぐ振るったりを、平気で殺せること

これは、人がコミュニケーションの対象ではないという感覚によるのだと感じています。

つまり、それらの傾向のある人の中では、人は、コミュニケーションを行わない『物』に位置づけられているのかも知れないということです。

2-2-3-4.浮気の連鎖

気持ちを伝えたい相手に、本当の気持ちを伝えることが難しい為、第三者への相談が必要になってきます。

この時、異性に相談する傾向がある場合は、浮気へと発展する可能性が秘められています。

しかし、浮気相手の心に占める割合が大きくなると、浮気相手のことを相談する為の、別の人が必要になってしまいます。

このようにして、一人のパートナーと深く関われない傾向性をもってしまうようになるのだと考えています。

2-2-3-5.一目ぼれの傾向

コミュニケーションの乏しいところで、恋愛が始まるのが一目ぼれの特徴です。

実際の相手ではなく、自分のイメージを相手に当てはめて、そのイメージの相手に恋愛しているのです。

ですから、相手の現実を知ってくると、肥大化していた妄想が縮小していくので、相手から離れたくなってしまうところがあります。

【余談1】
心の苦しさと恋愛感情を勘違いしてしまうことも、一目ぼれしやすいことの原因だと考えています。(吊り橋効果)
【余談2】
コミュニケーションが苦手な為、運良くカップルになった場合、その相手が自分の望んでいない相手であると分かりながらも、再び新しいパートナーに巡り合えないかもしれないということを恐れて、望まない相手と分かれられない状況に陥り易いところもあります。

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